no image

2003年11月号 免疫力と鍼治療

「若い者が鍼なんて」と小馬鹿にする人がいます。中には東洋医学を信頼しているけれど恥ずかしいからという人もいます。それは偏見です。鍼は若い人ほど良く効きます。高齢者では治療に長くかかる病気でも若い人なら数回の鍼治療でウソのように治ります。治ろうとする力、抵抗力があるからです。勿論、頑固な慢性病は長くかかりますが、中高年の人よりは治りは早いのです。癌やエイズ患者が鍼治療により食欲が増し、薬による副作用も消え、体力が徐々に回復してきたというアメリカからの報告もあります。つまり細菌、ウイルスへの抵抗力、免疫力を高めたということでしょう。鍼をするようになってから風邪を引かなくなったとか体全体の調子が良くなったというのも、このためです。

最近は,特に若い人の間でパソコン等による仕事病が増加しています。長時間、同じ姿勢で、手・肩・眼を使い、画面だけを見つめつづけていると、眼球の筋 肉、視神経の使いすぎから疲労が蓄積して、頭痛、肩こり、視力障害、吐き気、肩から肘にかけての痛み、さらには冷え性、下痢、便秘、イライラ、不眠、無気力、うつ的症状など自立神経の失調を生じます。つまり、1)眼の疲れ2)筋肉の疲れ3)神経の疲れからきたものです。これに対しては仕事量を減らすのが一番よいのですが、そういきません。自立神経を調節するという治療には、ハリ灸が大変効きます。最近は、鎮痛剤などを常用することに不安を持つ人たちがハリ治療を求めて来られるようになりました。現代医学よりも東洋医学に即効性があるものも多いのです。現代医学で行き詰まった場合は別の角度から治療を試みる事も大切です。

投稿者:tcm-editor

一覧に戻る