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2003年12月号 ガン治療と中国医学

中国医学では、大きく3つの角度から対処・治療します。

(1)ガン細胞の抑制を目標に、鍼灸や、漢方薬でガン細胞を攻撃する(たたく)という「去邪」という「寫」治療。中国の病院では、入院患者に対し西洋医学の治療と並行して行われ(中西結合医療)、抗がん剤などの治療と相乗効果があります。日本でも、こうした中西結合治療を取り入れる病院も出てきています。

(2)抗がん剤や放射線治療による副作用(痛み・吐き気・眩暈など)に対する鍼治療。アメリカでは積極的に臨床現場に取り入れられています。西洋医学において最も難しいのが抗がん剤や放射線治療による副作用問題であり、中西統合(結合)医療の必要性が問われています。

(3) 西洋医学のガン治療で、ある程度がん自体が消失、あるいは縮小された状態の患者さんに対して、鍼灸による「扶正」という「補」治療。つまり、鍼灸治療に よって免疫力をいえども専門家の助言なしに服用するのは危険です。免疫力を高め、失われた体力を取り戻すこと。「扶正」治療がガン細胞をたたくリンパ球を活性化し、その数を増やす働きのあることは証明されています。

当院では、医師の許可があれば、(1)(2)の治療もできますが、来院されている方のほとんどは、(3)の段階の治療です。

大切なのは、病気の状況に応じた治療をすることです。

健康食品などの宣伝に惑わされ、ガンをたたく必要のある患者さんが、「扶正」効果のある健康食品や生薬などを飲むと、逆にがん細胞自体が元気になってしまい、全くの逆効果です。これは、ガン治療のみならず、全ての病気に対していえることですが、健康食品といえども、専門家の助言なしに服用するのは危険です。

投稿者:tcm-editor

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