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2003年6月号 脳卒中の前ぶれ・後遺症

脳卒中には必ず前ぶれがあり、その前ぶれを自覚し、初期段階の治療が最も大切です。
東洋医学では、脳卒中のことを「中風」と呼び、〈中〉は「当たる」、〈風〉は「速い」という意味で、矢で射抜かれたように突然倒れることから名付けられています。

中医学の古典には、まず「“めまい”を中風の漸(前ぶれ)なり」、更に「親指だけがしびれるものは三年以内に必ず中風」と書かれています。少々極端です が、局部に表れる「しびれ」は、血液循環障害からくる症状の一つで、脳内の毛細血管にも血流障害があると推測し、未病(発病していない)の人には血液の循 環障害の各々の原因に合わせて鍼治療や漢方治療をし、血流を改善することで発作を防ぎます。

後遺症に対しては、脳卒中後、片側の手足が動かない、半身麻痺などの運動障害が固定する前の、できるだけ早い段階から鍼灸・漢方薬での治療を行い、血流不足による筋肉の萎縮・麻痺をくい止め、改善、回復させます。

中国の病院では、西洋医の診断と処方の後、状態により中医(鍼灸師)のもとに運ばれ鍼治療が行われます。後遺症が出なかった人、軽かった人など、治療効果大です。

いま、高血圧・動脈硬化・コルステロール値が高い・高脂血など血液循環に何らかの異常のある方、後遺症に苦しんでいる方、前ぶれで不安を感じている方、予防・治療のために鍼灸・漢方薬の力を利用しましょう。

脳の動脈硬化の初期と中期の症状
初期
のぼせ・頭重感・首の後ろが張って重苦しい・肩がこる・目が疲れやすい・物忘れが多い・片方の手足全体にわたってしびれる・手がふるえる・手足の動きがにぶい
中期
目がかすんで見えにくい・めまいに気づくことがある・耳鳴りがする・歩いてよろけることがある・ろれつが回らない・片側の足が一時的にきかなくなる

投稿者:tcm-editor

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