no image

2003年8月号 帯状疱疹・ヘルペス

中国では、ヘルペスのことを「蛇丹」と呼び中国の古典にも載せられている、とても古くからある病気で、鍼灸治療が良く効きます。

三叉神経(頭、顔面)、肋間神経(胸、背部)、坐骨神経(臀部、脚)の支配領域にヘルペスが感染して起こることが多く、水疱や発疹は、早い段階で特に治 療しなくても自然に治りますが、痛みがひどい場合、西洋医学では鎮痛剤や神経ブロック(麻酔)といった処置がなされます。

帯状疱疹の本当の辛さというのは、むしろ後遺症で、神経痛や皮膚の異常知覚などが長く続くことす。特に三叉神経に感染すると、視力障害、顔面神経麻痺、聴覚障害、味覚障害、さらには、眩暈を起こすこともあります。

こうしたすべての後遺症に対し鍼灸はとても治療効果があるのです。中国では、ヘルペスの痛みの強い状態や水疱の出ている(初期)段階から後遺症まで、鍼灸治療で対処するのが当たり前になっています。

鍼灸治療は、痛みや麻痺、つらい症状の出ている局所のみの対処療法ではなく、根本的な病因(なぜこの病に至ったか)を診て治療します。多くの場合、「疲 労や精神的ストレスから来る免疫力の低下」さらには、「膠原病などの免疫疾患を元々患っている」などが病因なので、対処療法とともに鍼を経穴に打つことに より、根元的な治療をして、後遺症が出ないようにします。西洋医学とは違う角度から診て、鍼灸治療が良く効く病気は、大変多くあるのです。鍼灸治療は、も う一つの医学として、今日その有効性が認知されています。

投稿者:tcm-editor

一覧に戻る