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2004年12月号 眼科疾患と鍼灸治療

西洋医学では治療法もないという眼科疾患に鍼治療は対応しています。緑内障の鍼灸治療は古代中国医学書にも記載されているように、現代中国でも長く臨床研 究されてきたものです。日本では、眼科疾患で鍼治療を受けられる患者さんが少ないですが、それはただ、眼科疾患に鍼が効くことを知らないからです。

中医薬大学付属病院での緑内障の治療は、鍼灸治療を主としています。緑内障の鍼灸治療の前後に眼球の血流変化を調べ、鍼は毛様体血管に対して大きな調整 作用があることがわかり、それによって視神経乳頭の虚血など微小な循環障害を解消させ、目の機能障害を正常回復させると考えられています。鍼灸治療は眼圧 を安定させるのが目的の一つですが、冷え症や肩こりや眼精疲労などに対しても効果があるので、全身の血流の循環改善にも役立ちます。緑内障の完治は難しく ても病気の進行を遅らせ、病状を改善することはできるのです。

当院では、眼科疾患の患者さんが増えています。たまたま他の治療で来院された患者さんが眼精疲労を伴っておられ、ついでに治療して症状が改善したのがきっかけで、口コミで次々来院されるようになりました。

沖縄から藁にもすがる思いで通院されている患者さんは、改善の兆しが出てきたと喜んでおられます。

緑内障とは一般に、眼圧が高くなることによって視神経が冒され、視野が狭くなったり欠けたりする病気です。しかし、眼圧が正常値範囲内でも緑内障が起こ る場合がありますので、注意が必要です。また、先天性のものや目のほかの病気、外傷が原因で起こるものなど、様々なタイプがあり、原因がはっきりわかって ないものもあります。

投稿者:tcm-editor

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