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2004年2月号 女性の病気と鍼治療

「鍼灸で不妊症が治る」と言われたら、信じられますか。

中国では、古くから女性の病気(生理痛・生理不順・子宮筋腫やがん、内膜症から不妊症など様々)に最も適しているとして鍼灸治療や漢方薬治療が行われて きました。日本では、不妊治療にホルモン療法と併用して漢方薬が処方されていることは、よく知られています。

最近、不妊に悩むご夫婦が増え、ストレスが原因の不妊症が多いといわれています。今日、不妊の原因を調べる検査技術は、大きく進歩しましたが、有効な治 療法は、手探り状態なのです。西洋医学では、手術か、ホルモン療法か、いくつかの薬を調剤ということになります。でも、「ホルモン療法を長く続けてきたの に効かない」と悩んで来院されます。ホルモン療法の副作用から来るストレスが逆効果となる場合もあるからです。そういうときは発想を転換し、別の角度から 診る『中国医学』での治療を試みられることも大切です。

中国医学では、女性の不妊タイプを大きく3つに分けています。

  1. 虚証(子宮発育不良や基礎体温の失調、ホルモンのアンバランス、排卵障害など)
  2. お血証(子宮筋腫、内膜症、卵管狭窄、付属器の炎症など)
  3. 肝鬱証(ストレス、イライラ、自律神経失調、ホルモンの乱れなど)

男性に一番多いケースは、腎虚証、(無精子、精子の数の減少、精子の運動率の低下、インポテンツなど)です。それぞれの原因を診断し、鍼灸、漢方薬など で、バランスを取り戻す治療を行うことで、無理に外部からホルモンを摂取しなくとも、内分泌系の機能が働き、ホルモンバランスも回復、つまり根本的な治療 ができるのです。西洋医学とは、違う角度から人体を診る鍼灸治療は、もう一つの医学なのです。

投稿者:tcm-editor

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