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2004年6月号 耳鳴り・難聴

周りに何も音がしていないのに、耳の奥で突然出現する「ジーン」「キーン」といった耳鳴り・難聴は本当につらいものです。

耳鳴りは、眩暈や難聴、耳閉塞感、耳痛を伴うことが多いものです。耳鳴りの原因となる病気には、メニエール病、高血圧症、低血圧症、脳動脈硬化症、更年期障害、中耳炎、内耳炎、などありますが、心理的要因などでも起こります。耳鳴りの原因が急性の炎症にある場合は、抗生物質の投与などで改善されます。ところが、耳鼻科、脳外科、内科、心療内科など、病院であらゆる検査と治療 を受けたにもかかわらず、一向に良くならないとか、良くなっても、また反復的に再発してしまう、という患者さんが多いのです。

中医学では、耳鳴りも難聴も耳の経絡の流れが停滞しているのだと診ます。停滞の原因は、

  1. 邪気が耳の経絡を塞ぐ。(実証)
  2. 耳の経絡を養う力が弱い。(虚証)

1.は、急な季候の変化、ストレス、思い悩む、怒る、などが原因で発症。2.は、老化、過労、食欲不振、更年期障害、体力の低下、などが原因で発症。

このように中医学の角度から分析すると、同じ病気でも原因が様々であり、患者さん個々の原因に合わせて鍼をします。耳鳴り、難聴に対する鍼灸治療は、とても良く効きます。
特に1.のような実証の場合、比較的早い回復が期待できます。2.は、耳の経絡を養う力をつける必要があり、弱い部分を少しずつ補う治療になり、1.に比べると時間がかかります。

投稿者:tcm-editor

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