no image

2004年8月号 むくみ(浮腫)

体の約60%は水分。さまざまな原因がきっかけで、血管壁から細胞内外に水分が漏れてくる状態がむくみ症状です。

足のむくみ・顔のむくみ・全身のむくみなどは、水分や塩分の摂り過ぎ。寝不足などが原因でおこる単純なむくみもありますが、なかには心臓病や肝臓病、腎臓病など内臓疾患の前触れとなる怖いむくみもあります。むくみを起こす最も主な病気は、心臓病と腎臓病。
中医学では、むくみを「水腫」と呼び、更に上半身のむくみを「陽水」、下半身を「陰水」と分けています。

上半身のむくみは、急性疾患で浮腫の程度も非常に重い場合が多いのですが、比較的早く回復します。問題は、反復的に足がむくんだり、程度は軽いのですが 顔がむくんでしまったりといった慢性のむくみ。症状が長期にわたることで、体のバランスが更に悪化して虚弱になり、むくんでいるところを指で押すと陥凹 し、なかなか元に戻らない程になってしまうこともあります。

中医学の角度から診断して「体内の水を司る」とされる腎臓は特にこのむくみ症状と関係が深く、更に心・肺・脾とも関係します。中医学の治療では、虚弱を 補充・補強する治療でバランスを整えます。浮腫の状態も不快ですが、むくみを長く治療せずに、大病へ発展することの方がもっと怖いのです。中医学(鍼灸治 療)は、治未病、つまり病気になるのを防ぎ、崩れた体のバランスを整える医学。日々、自分の身体を守り、健康の維持に努めましょう。

投稿者:tcm-editor

一覧に戻る