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2005年3月号 花粉症は対処療法から根本的な治療へ

昨夏の猛暑で今年は花粉の飛散量が30倍だとか心配されています。鼻や眼の粘膜に花粉が付くことで炎症を起こす花粉症は本当に辛く不快なものです。これも現代の文明社会が作り出した負の部分といえるでしょう。道路のアスファルト化は花粉が土に吸収されずに風に吹かれて飛び散り、大量の排気ガスが大気を汚染。無理な宅地開発が自然の生態系を狂わせ、気密性の高い住宅は、人々の日常に養われるはずの免疫力を育てない、などなどです。しかし、花粉症になる人とならない人がいます。こうしたアレルギー疾患を中国医学では「衛気の虚症」といって「免疫力」の低下と診ます。そこで「衛気を補う」つまり免疫力を高める治療をするのです。このような根本的な治療が慢性化したアレルギー疾患には、極めて大切なことです。対処療法により症状が少し軽くなったら、少し時間をかけて長い目で病気を根本から治療してみましょう。

中国医学では「冬の病は夏に治す」といいます。冬に風邪を引きやすかった体を夏に治し、来年の冬には風邪も引かない体づくりをするというものです。中国医学は予防医学でもありますから、積極的に診てもらうとよいでしょう。

各種の慢性疾患・様々な痛み症状・精力減退・中高年期鬱・不眠症・疲労感・失禁・不妊症などの治療(西洋医学での)に行き詰まった場合は別の角度から治療を試みる事も大切です。中国医学は西洋医学とは違う角度から人体を診る医学。鍼灸には実に多くの治効作用があるのです。

投稿者:tcm-editor

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