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2005年8月号 便秘と健康

便秘とは、通常の排便間隔が48時間以上、便量も減少し、便中の水分量も少なく、排便時に苦痛、不快感、腹部膨満感、腹痛など、日常生活に支障が出る症候群です。

排便機能の障害は、大きく3つに分けられます。

  • 弛緩性便秘 腸の運動(蠕動運動)が弱く、便を押し出す力がたりない状態。 主に、食生活や運動不足などが原因
  • 痙攣性便秘 腸の運動(蠕動運動)が強すぎるために痙攣を起こし、便が通りにくい状態。過敏症大腸症候群や、ストレス、精神的ものなどが原因
  • 直腸性便秘 便が直腸に達しても便意が起こらず、蠕動運動が始まらない状態。トイレを我慢する、痔で排便を抑えるなどして、直腸の神経が鈍くなると起こる

 中国医学的には、便秘の原因は寒と熱の違い、さらに虚と実の区別があり、個人の体質や便秘の症状に合わせて針灸治療を行います。

鍼治療は、胃腸機能や大腸の正常な働きを回復させ、排便機能を調整します。特に頑固な便秘に対しても、「中天枢・気海・水道・帰来」などのツボ(経穴)に針灸治療を行うことで、良い効果が得られます。

病院では便秘薬の処方となりますが、便秘薬は、痛み止めと同じようにその症状を一時的に抑えるだけであり、根本的な治療とは言えません。

便秘が長く続くと、頭痛、肩こり、食欲不振、口臭、不眠、疲れやすい、イライラする、ニキビ、肌荒れ、冷え症、女性の肥満など、自律神経の失調による症状も起こります。鍼灸治療には即効性があります。密かにお悩みの方に、針治療のあることを教えて上げてください。

投稿者:tcm-editor

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