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2006年2月号 アトピー性皮膚炎と中国医学治療

アトピー性皮膚炎を皮膚症状の病気として、病院で処方されるステロイド剤は、常用すると危険がともないます。中国医学では、病気の本質は皮膚表面だけではなく、より深い部分の体質的な問題だと診ます。皮膚の症状のみの治療ではなく、体質改善への根源的な治療に取り組みます。同じアトピー性皮膚炎でも、皮膚の症状は、浸出液が分泌される状態、油分や潤いを失ってカサカサになった状態、赤くなって痛み痒みを生じている状態など様々。

各々の症状の原因

  1. 代謝が悪く・老廃物が生じている(痰飲)
  2. 気の流れが悪い(気滞)
  3. 多湿な気候の影響(湿邪)
  4. 水分代謝の機能低下(牌虚)

当院受診以前にステロイド剤などの薬を使って治療されている方には、ただちにその治療を止めるのではなく、日々苦痛を感じない程度に症状を軽減させるためのステロイド等の使用は続けながら、中国医学(鍼灸・漢方)の治療を併用し、徐々にステロイドを減量していく方法を勧めます。症状のひどい時期の併用は、ある程度必要です。

ステロイド剤を利用した治療法は格段の進歩があるとはいえ、対症療法では、病気を根治することはできません。アレルギーを根本から治すために患者さんがすべきは生活環境を整備すること。ダニが原因ならダニを退治し、食生活が原因なら食べ物のバランスを考える。つまり、アレルギーが体質的因子に環境因子が加わって発症すると診て治療するのが中国医学療法なのです。

投稿者:tcm-editor

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