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2006年5月号 円形脱毛症の鍼治療

突然、円形や楕円形の脱毛斑が発生し、次第に拡大します。1ヵ所だけの場合や、3~4ヵ所に同時にできる多発性の場合もあります。脱毛部の大きさは、コイン程の大きさ、手のひら大、と様々です。重症の場合は、全頭脱毛になることもあります。現代医学では、ストレスが一番の原因と考えられてきましたが、最近の研究から、有力視され始めているのが「自己免疫疾患説」です。

中国医学では、大きく3つのタイプに分けて診ます。

  1. 湿熱(血熱)タイプ:血液がドロドロになり、血流が滞留し、新しい血が毛髪に送れなくなり起こる。
  2. 腎虚タイプ:腎が虚弱で毛髪を潤すことができなくなり起こる。腎は、腎臓病や老化現象で弱くなる。
  3. 血虚タイプ:血が不足し、毛髪に栄養が行き渡らなくなり起こる。(このタイプは、女性に多い。女性は、一生の間に「生理・妊娠・出産・授乳」など、血が不足することが多い。)

それぞれの、タイプに合わせ、この症状に至った原因となる全身のツボ(経穴)に鍼治療する。さらに、局部(患部)の鍼治療では、毛包周囲の毛細血管の数を増やし、微小循環を促進し、毛球細胞の分裂を増加させることにより治癒させます。現代医学も、まだまだ未解明な部分が多いのです。

現代医学の治療で行き詰まった場合には別の角度から打開策を考えていくことも必要です。現代医学よりも東洋医学が得意とするもの、即効性があるものも多いのです。

投稿者:tcm-editor

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