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2006年6月号 不妊症と鍼灸治療

2002年、ドイツと中国の不妊治療の合同研究結果が発表されました。体外受精による不妊治療と鍼灸治療を併用することにより、妊娠率が50%近く向上するというものです。研究チームは、中国医学に基づいて鍼灸治療を行うことで、子宮筋肉の緊張が軽減され、血液などの循環が改善し、さらに、ホルモン分泌や自律神経の調整をする等の効果から、受精卵が子宮に着床しやすくなり、妊娠率が向上しているのではないかとみています。

中国の病院では、男性、女性のどちら側に原因が(両方にある場合もある)あるかを診断し、患者の状態から、次の治療方法を選択します。

  1. 中国医学のみの不妊治療(鍼灸、漢方薬)。
  2. 中国医学、西洋医学療法の併用治療。
  3. 先に中国医学による基礎的な鍼灸治療を行い、さらに西洋医学の療法を併用するかどうかを判断して治療。

当院で不妊治療を受ける方も多数おられます。

2003年11月、国際学会(北京)で、私は、臨床研究の立場から不妊症、月経不順、さらに多嚢胞卵巣症候群という難治性の婦人科疾患を鍼灸、漢方薬のみによる治療法で無事出産という事例を発表しました。

中国医学は独自の生理観、病理観及び診断、治療の方法を持つ、もう一つの医学です。

投稿者:tcm-editor

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