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2006年9月号 慢性リウマチ

体の多くの関節がはれて痛む病気で、長期間にわたって進行すると関節の変形と機能障害が起こる難治性疾患です。原因は不明で、免疫異常の関与が大きいと考えられています。人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%の人がこの病気にかかっています。患者は、男性より女性に多く(約3倍)、30歳代から50歳代での発病が多く認められます。

現代医学では、消炎鎮痛薬、ステロイド、抗リウマチ薬、免疫抑制薬、さらには抗ガン剤を使うことさえあります。しかしながら原因は不明なので、リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところ期待できません。

私の中国での恩師、焦樹徳老師は、有名な中医師ですが、中でも慢性関節リウマチに対する治療は特に有名で、中国国内のみならず世界中から、リウマチ患者が治療に来られていました。

中国では80年代に入り、リウマチに対する鍼灸治療が大きく進歩し、漢方薬と組み合わせた総合治療だけでなく、急性期には現代医学と組み合わせて炎症を抑える治療を行っています。ある程度炎症が治まると、副作用のない鍼灸や、漢方薬でじっくりと治療して行きます。慢性関節リウマチに対する鍼灸治療は、治効性が高いのです。

リウマチを中国医学では「痺証」と呼ばれます。痺証とは、風邪・寒邪・湿邪が合併して経絡を侵襲し起こると考えられており、「行痺(風痺)」、「痛痺(寒痺)」、「着痺(湿痺)」に分類されます。

投稿者:tcm-editor

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