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2007年12月号 五十肩

Q:五十肩に鍼治療は有効ですか?

A:五十肩は中国医学では「漏肩風」と呼ばれ、中国では古くから鍼灸治療で高い治療効果を上げています。

五十肩とは、40~50代の人に起こりやすい肩関節周りの炎症のことです。老化による筋肉や靭帯の衰えなどが原因となり、肩関節内の本来は滑らかに動くはずの部分に摩擦が生じて、炎症が起こっている状態です。 現代医学では、残念ながら特効薬があるわけではありません。炎症や痛みを抑える消炎鎮痛剤、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤、末梢神経の働きを正常にする末梢循環改善剤などの薬物療法が主な治療法となります。さらに炎症を起こしている関節内に、薬剤を直接注射する場合もありますが、いずれもなかなかつらい痛み症状は消えないことが多いです。 五十肩の鍼灸治療では、急性期の場合、

  • 炎症を鎮めること
  • 激しい痛みを止めること
  • 夜間痛を和らげること

五十肩を優先して治療を行います。肩関節周りへの直接刺鍼は極力避け、発症部位から離れた、肩関節と関係のある経穴(ツボ)を使って炎症を鎮めます。慢性期や回復期の場合、持続痛はほとんど治まっているけれども肩関節の動きに制限があり、だるい、動かすと痛むという症状が多く見られます。治療は、肩、肩甲骨周りの経穴(ツボ)に直接治療することで、血液循環を改善し、筋肉の柔軟性を回復させ、肩関節の動く範囲を元の状態にまで治します。

投稿者:tcm-editor

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