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2008年8月号 喘息

喘息とは、空気の通り道である気管支の病気です。最も多いのが、気道(気管支)が炎症により細くなり、呼吸が妨げられて起こるタイプ、次に気管支粘膜の浮腫や痰の増加などで起こるタイプです。

★喘息の原因★

  1. アレルギー体質型/体質遺伝で生まれながらにアレルギー体質を持ち合わせている。
  2. 気道過敏性型/気管支などの気道が刺激に対して非常に敏感なため、たばこの煙やハウスダスト、動物の毛などを吸い込んだりするだけで気管支が刺激され、収縮して喘息発作を起こす。
  3. 環境要因型/環境要因として気温、湿気、空気の乾燥、気圧の変動、季節の変わり目、カゼの感染、大気汚染、過労、精神的ストレスなどがある。

小児喘息の場合は、喘息になる以前に乳児湿疹、アトピー性皮膚炎を患っている場合が多いです。成長するにつれて自然に緩解されてくるが、思春期喘息に移行するケースも増加しています。西洋医学では、気管支喘息発作時には気道拡張薬吸入、注射、経口薬等を使い分けます。

緩解期は、抗炎症薬の吸入や内服で、喘息の長期的なコントロールをします。喘息は様々な原因が複雑にからみ合って起こるために、治療も決め手となるものがありません。

喘息喘息発作のことを中国医学では「哮」、呼吸困難、呼吸促迫のことを「喘」といい、必ず「哮」には「喘」を伴うため、「哮喘(こうぜん)」と呼ばれています。中国では、一九五〇年代頃から気管支喘息の治療法の一つとして鍼灸の治療が高い成果を上げています。近年の研究結果では、鍼灸治療は気管の損傷部分の修復を促進させ、柱状上皮細胞の病理的損傷を軽減し、喘息症状を改善することが証明されました。日本では筑波技術短期大学の西條学長らの研究報告に、鍼灸治療で自律神経を調整し、気管支喘息の症状を改善したとあります。

急性の喘息には、まず現代医学的処置を行い、緩解期及び慢性気管支炎の治療に対しては、鍼灸治療が大変有効です。

投稿者:tcm-editor

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