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2008年9月号 むちうち

「むちうち」は、多くの場合、自動車の追突事故などで首を強打し、損傷を受けて起こる症状で、正式には頚椎捻挫とよばれている。特徴は、軽い事故であれば受傷直後の検査では、異常が認められなくて安心していると、自覚症状も無かったのに、2?3日後から頚部痛などの辛い症状が現れ、徐々に痛み症状が強くなる。むちうち症は大きく3つのタイプに分類される。

  1. 頚椎捻挫型:頚椎の周りの筋肉や靭帯、軟部組織の損傷が最も多くみられ、むちうち症全体の七〇?八〇%を占めている。首の後ろや肩の痛みは、首を伸ばすと強くなり、さらに首や肩の動きが痛みによって制限される。
  2. 神経根障害型:頚椎に歪みが生じると、椎間板に神経が圧迫されて症状が起こる。首の痛みや頭痛、腕のしびれ、痛み、だるさ、筋力低下、知覚鈍化、首や肩の関節の運動制限などの症状があり、首を横に曲げたり、回したり、首や肩を一定方向に引っ張ったりすると症状が強まる。
  3. バレ・リユウー症状型:後部交感神経症候群ともよばれる。頚椎に沿って走っている椎骨動脈の血流が低下し、頭痛、めまい、耳鳴り、難聴、目のかすみ、眼精疲労、吐き気などの症状が現れる。

むちうち1~3の他にも「脊髄症状型」「脳髄液減少症型」などもある。西洋医学での治療には、神経ブロック注射、理学療法、鎮痛剤、シップ剤などがあるが、効果は思わしくない。しかし、鍼灸治療を併用することで症状を改善できる。鍼灸治療には高い鎮痛効果があり、副作用もなく痛みを和らげることができる。痛みがある部位や反応点、また痛みと関連する経穴(ツボ)などを刺鍼することで、首・肩背部周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進させることができる。凝るような感じ、重く感じる、だるい等の不快症状を改善し、さらに自律神経系のバランスを調整し、頭痛、眩暈などの随伴症状も軽減できる。

※交通事故による「むちうち」症状には自賠責保険による鍼灸治療が可能

 

投稿者:tcm-editor

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