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2009年10月号 股関節痛の鍼灸治療

前立腺炎 股関節痛は、痛み症状の出る部位を診て、ある程度原因を判別出来る。股関節前側に痛みがあるときは、変形性股関節症、大腿骨頭壊死、大腿骨頚部骨折である場合が多い。股関節の後ろ側に痛みをあるときは、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、筋肉や腱の断裂、悪性腫瘍などの場合が多い。

●変形性股関節症
変形性股関節症の原因の約8割は、幼い時期の先天性股関節脱臼にあると言われている。初期には長時間、立っていると股関節に軽い痛みや、だるさが起こる。中期になると痛みは、強くなり、関節も動きにくくなるが、少し休めば症状は治まる。末期には痛みがさらに強くなり、関節も動きにくく、休んでも症状は治まらなくなる。
●特発性大腿骨頭壊死
急に片側の股関節が痛み、坐骨神経痛を伴うこともある。初期は、休めば痛みが治まるが、次第に持続痛と変わり、やがて歩行困難になる。大腿骨頭壊死は、この骨頭部分への血液の流れが悪くなって、次第に骨頭部分が潰れてきて痛みが出てくる。
●大腿骨頚部骨折
股関節を構成する太ももの骨(大腿骨)の骨折で、痛みのために歩くことも、立つこともできなくなる。骨粗しょう症などで骨自体が弱くなっていると、ちょっとしたことで簡単に骨折してしまうことがある。

現代医学の変形性股関節症治療では、温熱療法、消炎鎮痛薬の投与、副腎皮質ステロイドの関節内注入等が主だが、つらい痛みや、関節の動きが、改善されず、症状が進行してしまうケースも多い。

中国医学では、「不通則痛」と診て、まず血行などが滞る誘発原因となった股関節周囲の筋肉の硬結に対し、鍼灸治療で筋肉に直接刺激を与え筋肉の硬結を弛緩させ、血流を改善し、炎症を鎮めることで股関節の拘縮と周囲筋肉の委縮、さらに炎症を防ぐことができる。「少しぐらいの痛み」と我慢しないで、早期に専門医を受診し、現代医学の治療のみではなく、中国医学の鍼灸治療を併用することで高い治療効果が期待できる。

投稿者:tcm-editor

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