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2010年6月号 体外受精と鍼灸治療

胚移植不妊治療に対する通常の鍼灸治療は、子宮や卵巣をはじめ身体全体の血流を改善し、ホルモンバランスを整え、妊娠する力を向上させる体質づくりが主です。

最近、もう一つ注目されている効果が、体外受精前後に鍼灸治療をすると、子宮内の血流が促進され、お腹の冷えを取り除き、心身の緊張やストレスが緩和(リラックス効果)され、妊娠しやすくなることです。

体外受精時の胚移植の前後に鍼灸治療をすると、その後の妊娠率や出産率が高まるという調査結果は、メリーランド大学医学部統合医療センター(米)によって報告されています。

鍼灸治療が体外受精の成績に及ぼす影響については、生殖医療学会においても、いくつかの論文が発表されています。

欧米4ヶ国の1366名の女性を対象にした調査では、体外受精時の胚移植の前後に、伝統的な鍼灸治療を受けたグループと、偽の鍼灸治療を受けたグループ、鍼灸治療を行わなかったグループ、という3つにグループ分けし、その後の女性たちの結果を比較したところ、伝統的な鍼治療を受けたグループは他のグループに比べて、妊娠した割合が65%も高く、さらに、出産に至った割合は2倍であることが分かりました。

このことから体外受精時の胚移植の前後の鍼灸治療は、その後の妊娠率や出産率を向上させることに役立つことがわかっています。

投稿者:tcm-editor

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