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2011年3月号 めまい、ふらつき

めまい、ふらつき 「めまい」症状には、グルグル回る、フラフラする、フワフワする、グラグラする、立ちくらみ、眼の前が暗くなる、血の気の引くような感じ、歩くときのふらつき等がある。聞こえない、耳鳴り、耳の閉塞感、周囲の音が内響するといった感じの、症状を伴う事もある。吐き気や嘔吐、動悸、冷や汗、顔面蒼白といった自律神経系の症状を伴う場合も多い。

めまいは、耳に原因があって発症することが多い。耳には音を聴く機能と、もう一つ大切な身体の平衡(バランス)を保つ機能がある。そのために耳に障害があると、聴力低下、耳鳴りなどの蝸牛症状や、めまい、ふらつきなどの前庭症状が出現する。
「めまい」の原因には、耳の疾病以外には脳の病気、全身的な病気によって起こる場合などもあるが、いろいろな検査を行っても何も異常がなく、原因のはっきりしない「めまい」もある。

「めまい」を漢字で書くと「眩暈」。これは中国医学用語でも同じで、中国の古い医学書にも多数記載がある。中国医学では、昔から「眩暈」の原因は、体内の気血の巡りが悪いために起こると考える。鍼灸治療では、気血の循環が悪くなった原因を細かく分析し、診断して、それぞれのタイプに合った経穴(ツボ)に鍼治療することで、高い治療効果を得ている。

中国医学では、「眩暈」症状を大きく5つのタイプに分けて治療する。

  1. 肝火上炎タイプ
    めまい、イライラ、怒りっぽい、怒るとめまいが強くなる、頭痛、耳鳴り、眠りが浅い、夢をよくみる、口の乾燥感、口が苦いなど。
  2. 陰虚陽亢タイプ
    めまい、不眠、盗汗(寝汗)、五心煩熱(手足の火照り)、口の乾燥感など。
  3. 脾心両虚タイプ
    心身の疲労により症状が悪化する、食欲不振、動悸、疲労感、息切れ、口唇の血色が悪いなど。
  4. 気血不足タイプ
    めまい、身体を横たえたがる、過労により発作が生じる、顔色がわるい、全身倦怠感、食欲不振、軟便など。
  5. 腎精不足タイプ
    「めまい」感、耳鳴り、疲れやすい、目がかすむ、腰や膝がだるく力がない、遺精など。

投稿者:tcm-editor

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