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2011年10月号 黄体機能不全を克服して妊娠

黄体機能不全 黄体とは、排卵した後、卵巣にある卵胞が変化して作られる妊娠に必要な器官。黄体は、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、受精卵の子宮内膜への着床や、体温を上昇させて妊娠を維持する重要な働きを担っている。
黄体機能不全とは、黄体からのプロゲステロンの分泌が少ない状態。プロゲステロンが少ないと、子宮内膜が十分に厚くならない(受精卵の受け入れ準備が整わない)ので、受精卵が着床しにくく、不妊症の原因となる。

2007年5月 稀発月経(43-45日周期)、過長月経、不妊で婦人科を受診。黄体機能不全と診断され、排卵誘剤(クロミッド)での治療を始める。
2009年8月 妊娠に至らず、当院を受診。
2009年9月 婦人科と当院の鍼灸治療を併用すること1ヶ月。妊娠するも、7週で流産。その後、当院で、鍼灸治療を続け、月経周期の改善。
2010年6月 妊娠が判明。 2011年4月 無事に出産。(28才)。

中国医学で分析すると、手足の冷え、肩こり、月経が遅れる、生理痛、腰痛などの症状から「腎陽虚タイプ」と診る。
中国医学では、西洋医学でいうホルモン分泌と腎は、密接な関わりがあると考えられており、黄体ホルモンの不足、すなわち腎陽虚が原因であると診る。
この腎陽虚が根本にある不妊症の場合、腎陽のエネルギーが弱いため、身体の陽気が損なわれ、下半身の冷えや下腹部(子宮)の冷えを生じ、結果的に黄体ホルモンの不足、卵胞の発育や黄体の機能低下などの生殖器系の機能低下が引き起こされる。

鍼灸治療では、「温補腎陽」の作用のある経穴(ツボ)腎兪、関元、中極、三陰交に鍼灸することで、身体を温め、生殖器系の機能を向上させ、妊娠しやすい体質へと改善できる。

黄体

投稿者:tcm-editor

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