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2011年7月号 鍼治療時の「痛み」と「ひびき」

鍼治療時の「痛み」と「ひびき」 よく目にしたり、耳にしたりする「鍼は痛くない」「無痛鍼治療」という表現は本当でしょうか?!「鍼治療は、痛いですか?」初めて鍼治療を受けられる患者さんに必ずといっていいほど聞かれます。

そのような場合「まったく痛くありません」とは、説明できません。「たまに痛点に当たると少し痛い時があります」「人により痛いと感じない人もいますし、怖がって緊張し、身体を硬くすると少し痛かったりします」と正直に説明します。

痛点とは、人間の皮膚の表面にある感覚点(Sensory Spot)の1つで、他に触点、冷点、温点、などがあります。全身の感覚点の数は、触点50万、冷点25万、温点3万、痛点200万であると言われており、痛点は他の感覚点より非常に数が多いので、刺針時に痛点に針先が当たる確率も高いのです。鍼灸針は、注射針の十分の一ほどの非常に細いものですが、それでも時には痛点に当たってしまうこともあり、少しチクッと痛むこともあります。

鍼治療には、このような痛み以外に、針を打った時に「グンッときた(感じた)」「ドーンときた(感じた)」というような、鍼治療独特の鍼の「ひびき」がある場合もあります。これはツボの効果を最大限引き出すためのものです。しかし、この「ひびき」も勿論、耐えられない程ではありません。

最近の西洋医学会で「注射を痛いものと思い、怖がる人」対策から「痛みを緩和する研究」がなされ「(あなたの思われるほど)痛くないですよ」と声をかけた後に注射をすると不安が和らぎ、実際痛みを感じる度合いが軽減されるという研究結果が発表されています。そうした意味合いから特に小児科では、声かけの重要性をあげています。 不安を和らげるための患者さんへの言葉かけの必要性は、鍼治療でも同じです、当院でもインフォームドコンセントで、わかりやすく治療の説明を行い、安心して鍼治療を受けていただけるようにしております。

投稿者:tcm-editor

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