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2012年3月号 月経不順と鍼灸治療

不妊に対する鍼灸治療の効果月経不順 月経周期や期間が長かったり、短かったり、血量が多かったり、少なかったり、月経痛が強いなど、症状は様々です。正常な月経周期は、月経開始日から次の月経の前日までの期間が25~38日です。月経不順は、正常範囲内の月経周期であっても、長い周期と短い周期の差が6日以上ある場合です。

月経不順のタイプ

  1. 稀発月経:月経周期が39日以上で年に数回しか月経がなく、排卵がスムーズに起こっていない状態。
    〈遅延排卵〉月経開始日から、排卵するまでの期間が長く、月経が遅延。基礎体温は、低温期がい。
    〈無排卵性稀発月経〉稀発的に月経があっても排卵がない。基礎体温は、高温期がない。
  2. 頻発月経:生理周期が24日以内で、同じ月に複数回月経がある。ホルモン分泌が不安な思春期や更年期に多い。
    無排卵性頻発月経〉排卵がない月経。基礎体温は、高温期がない。
    〈卵胞期短縮性頻発月経〉排卵はあるが、月経から排卵までの期間が短い。基礎体温は、低温期が短い。
    〈黄体機能不全型頻発月経〉排卵後、卵巣において形成される黄体の機能が悪く、生理周期が短く、基礎体温は、高温期が短い。
  3. 続発性無月経:月経が3ヶ月以上ない症状。排卵機能が弱まり、無排卵の状態にある。また、月経はあるが「無排卵月経」という場合もある。自然に月経がないのは、ホルモンバランスの異常。

中国医学では、身体を構成する基本的要素「気・血・水」のバランスが崩れると月経不順が起こると診ます。不規則な生活、ストレス、運動不足、食事の栄養バランスが悪い等々の原因で「気」の巡りが悪くなり、「気」の巡りが悪くなると「血」の巡りも悪くなり、「瘀血(おけつ・血液が滞っている状態)」を生じ、ホルモン分泌異常や卵巣機能不全を引き起こしているのです。婦人科でのホルモン剤治療で、外から改善するだけでなく、中国医学の鍼灸治療などで身体の内側から根源的に「気・血・水」のバランスを整えることも非常に大切です。

投稿者:tcm-editor

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