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2012年4月号 不育症と鍼灸治療

不育症
流産というのは決して病的なものではありません。誰でも一度妊娠すると約15~20%の率で流産を経験すると言われています。しかし、流産が繰り返し起こる場合は問題です。

3回以上、流産を繰り返す場合、習慣流産と定義されます。流産を1回起こす確率は約15%,習慣流産は1~2%,不育症は5%程度の頻度と推定されています。

妊娠初期に流産を繰り返したり、妊娠中期以降に胎児死亡があれば不育症の検査を受ける必要があります。不育症の原因は、感染症、内分泌異常、子宮形態異常、夫婦染色体異常、免疫学的原因、血液凝固異常などです。

近年注目され、臨床研究されているのは、抗リン脂質抗体症候群です。抗リン脂質抗体という自己抗体が体の中にできると血栓(血がつまること)症や流産を引き起こさせるというものです。抗リン脂質抗体や、一部の血液凝固因子異常などの血栓性素因は、胎盤の血栓によって血液の流れが悪くなり流産を起こすと考えられています。

西洋医学では、血小板の凝集を抑え、血栓を作りにくくするための低用量アスピリン・ヘパリン併用療法が不育症に対する標準的な治療法となっています。

中国医学では、古くから、この血栓に対する治療を行ってきています。 ふだんはスムーズに流れている血液が、何らかの原因で滞ってしまった、この状態を中国医学では「?血(おけつ)」と呼びます。原因はさまざまですが、女性にもっとも多いのは、「冷え」によって血行が悪くなるケースです。
中国医学では、鍼や灸により血液の流れを改善し、生理不順、生理痛、不妊症、不育症などに高い治療効果を上げています。 副作用ない身体に優しい鍼灸治療で、不妊・不育症を克服しましょう!

投稿者:tcm-editor

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