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2013年1月号 足底筋膜炎の鍼灸治療

足底筋膜炎足底筋膜炎(そくていきんまくえん)とは、足の指の付け根から踵(かかと)まで、足の裏に膜のように張っている腱組織・足底筋膜に炎症が起き、小さな断裂を起こして痛みをもたらす病気である。多くは踵の骨の前あたりや、土踏まずの部分に痛みが起こる。主に40歳?50歳代以上で発症するが、若い世代でもスポーツ選手などに多く発症している。

足の甲の骨は、弓状(アーチ)になって体重を支えているが、アーチを弓の弦のようにピンと張って支えているのが、足底筋膜である。

丈夫な足底筋膜も、四十歳代以降になると加齢にともない、古いゴムのように退化して、ひびが入り、炎症を起こし易く、痛みの原因となる。

朝起きて直ぐの数歩は、とても痛いが、そのうち痛みが軽くなってくる。長時間座っていて、急に歩き出すと痛む、かかとの骨の前方内側を押すと強く痛むところがある、などが足底筋膜炎の特徴である。

西洋医学治療では、足のストレッチをしながら、刺激を避けて自然治癒を待つのが基本だが、非ステロイド系抗炎症剤の湿布薬や塗り薬、痛みが強くなると局所麻酔剤の注入や、消炎鎮痛剤を内服したりするが、なかなか痛みが改善しない場合が多い。

中国医学では、体力が弱っているときや、加齢による衰えから、腎虚証に至り、足底の痛みを引き起こすと考えられている。
治療では、中国医学も西洋医学と同様に足底筋膜の炎症を抑えるために、直接的に痛みのある部位に鍼灸治療をし、血流などを改善する。同時に根本的な治療という意味合いから「腎の働き」を改善する経穴(ツボ)にも鍼灸治療を行うことで、頑固で治りにくかった足底筋膜炎も治癒し、再発率も低くすることができる。

投稿者:tcm-editor

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