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2014年11月号 「パニック障害、うつ病」と鍼灸治療

パニック障害

パニック障害は、男性よりも女性の方がかかりやすく、約100人に1~2人が発症するといわれています。症状は、突然に起こる激しい動悸や発汗、頻脈、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、目眩、このままでは死んでしまうのでないかと思えるような強い不安感に襲われる病気です。

この発作は、「パニック発作」といわれ10分から長くても1時間以内にはおさまります。パニック発作を繰り返すと「また発作が起きるのではないか」(予期不安)、「発作が起こったとき、そこから逃げられないのではないか」という苦手な場所ができ、場所恐怖が日常で起こるようになってしまう人もいます。検査をしても内科的な異常はみつかりません。 パニック障害の薬物治療は、現代医学では、パニック発作を抑える対処療法薬です。

中国医学は、自律神経失調症・うつ病・パニック障害などの発生の多くは、精神的な変化により内臓の働きと血液の流れに悪影響して起こる病証と考えます。 患者さん個々の身体全体の状態から病因を探り、中国医学の診断から体質別に根源的な治療を行う。

数年前、北京中医薬大学が発表した論文の中では、中国医学でのうつ病を、腎虚肝欝・肝欝脾虚・肝胆湿熱・心腎不交・心脾両虚・心胆気虚の6種類のタイプに分け、1221例の患者さんを対象にそれぞれのタイプに合った鍼灸治療や漢方治療を行った事例が報告されている。治療効果は、西洋薬の抗うつ剤単独グループと比較すると、鍼灸治療や漢方治療を併用したグループは、うつ症状が7日間で改善され始める効果が現れたのに対し、西洋薬のみの治療グループでは21日もかかったというというものでした。

メンタルケアも現代医学的治療と鍼灸・漢方薬治療を併用して成果を上げているということです。

投稿者:tcm-editor

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