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2014年5月号 「突発性難聴・耳鳴り」の鍼灸治療

突発性難聴

突発性難聴とは、突然、耳が聞こえない、耳の閉塞感、「キーン」「ジーン」と耳鳴り、めまいなどの症状が起こることで、片側の耳に起こることが多い。聴力低下は、全く聴こえなくなる重症から、ある音域だけが聞こえなくなる感音性難聴など様々。

現代医学では、内耳の聴神経細胞の障害と考えられているが、原因は、ハッキリとしていない。考えられるのは過度のストレス、過労、睡眠不足、心労などにより内耳を流れる血管が細くなり、聴神経細胞への栄養が不足すること。また、糖尿病、高血圧、中耳炎などでも起こる。
治療は、内耳の血液循環を改善し、聴神経細胞を活性化するため、ビタミンB12、さらにステロイド剤などが処方される。しかし、効果のない場合もあり、副作用の問題も深刻とされる。また、症状が、薬の服用で治まったとしても一時的で、反復的に再発するケースも多い。

中国医学では、「耳聾(じろう)」と称され、二千年前の古代医学書にすでに記載されている。
怒り、恐れ、悩む、などの感情や、病気などで著しく体力を消耗したときに、耳の経絡の流れが停滞し、難聴が起こると考えられている。

針灸治療は、まず、局部治療として、耳の近くの経穴(ツボ)に刺針し、内耳血管の透過性を良くし、聴覚末梢神経の栄養状態を改善して機能を回復させます。さらに病状に合わせ、全身の経穴(ツボ)を使い、全身の治療も併用することで、対症療法ではなく、原因を深く探り、反復的に再発しない根治を目指します。

 


投稿者:tcm-editor

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