no image

2015年2月号 変形性膝関節症と鍼灸治療

変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となって、膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。中高年の方に多い病気ですが、とりわけ女性に多く、50歳以降になるにつれて患者さんの数が増えていきます。
現在、日本では変形性膝関節症の患者数は約700万~1000万人いると言われています。
変形性膝関節症予備軍(X線で関節の狭小がみられる)は約4000万人と言われています。(東京大学医学部研究による)

ドイツでは、変形性膝関節症に対する鍼灸治療の効果、有効性、安全性を検証するために大規模な研究が2000年から約5年をかけて30万人の患者さんに対して行われました。
その研究結果から、3ヶ月間、一週間平均1〜2回の鍼灸治療を受けた患者さんと鍼灸治療を受けていなかった患者さんとを比べてみると、鍼灸治療を受けていた患者さんの膝の痛みは、大幅に改善していたことがわかりました。

鍼灸治療は、変形性膝関節症の患部である軟部組織、膝関節周りの筋肉に刺針し直接治療できる唯一の方法です。

鍼灸治療で膝関節周囲の筋肉の緊張を緩和し、膝関節の血流を改善し、むくみや腫れを軽減することで痛みを取り除くのです。
さらに低周波治療をすることで弱ってしまった筋肉に収縮と弛緩を繰り返させて筋肉を活性化させます。
鍼灸治療は炎症を軽減させ、筋力を回復させることで変形性膝関節症の進行を防ぎます。

投稿者:tcm-editor

一覧に戻る