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2016年4月号 頸肩腕痛・手指のしびれの鍼治療

プロによるマッサージ

頚肩腕痛とは、加齢変化や外傷が原因で、椎間板(椎体と椎体の間にあってクッションの役割をしている)の後方突出、頸椎の椎体骨の骨棘(とげ状の突起)形成、靭帯の石灰化、骨化などによって、脊髄から肩や腕に向かう神経(神経根)または脊髄自身が、圧迫・刺激を受け、上肢の痛みとともにしびれ、脱力感、疲労感、手指の感覚異常、冷感、こわばり等の症状を引き起こす病気です。

肩や首の筋肉が緊張し、肩凝りや圧痛がみられます。また、頸部の前屈時や後屈時に後頸部から肩、上肢に放散する痛み、夜間痛などの症状が現れます。
病院の治療では、手術による治療を行う場合もありますが、一般的には、消炎鎮痛薬の投薬などが行われます。しかし、治り難くて痛みが数か月以上続くことも少なくありません。

中国医学における鍼灸治療では、日常生活や仕事等での筋肉の疲労で縮み硬くなっている筋肉を病院で行う牽引治療のように無理に引っ張るのではなく、頸部周辺の凝り固まっている筋肉に刺鍼して、筋肉を内側から自然に緩めて根本的に回復させて行く治療をします。その結果、椎間にかかるストレスを弱め、椎間板の膨隆や神経根の圧迫を緩めて痛みやしびれ等を軽減させるのです。また、急性期の頚肩腕痛、特に腕の痛みやしびれ等の症状に対しては、神経ブロックや痛み止め等の痛みを抑える対症療法のような治療ではなく痛みの原因となっている圧迫され流れが悪くなっている神経や血液のそのものの流れを助け改善するために、星状神経節に鍼を刺鍼する「神経通電鍼療法」を併用します。

頚椎症の初期で首の痛みやこりなどの症状が現れたら、早い段階に鍼灸治療を始めることが大切です。軽い痛みや肩こりの段階で鍼治療して、頸部周辺の筋肉を緩めるケアを行っていると、ほとんどは改善・予防され手術に至るほどの重症にはならなくてすみます。

投稿者:tcm-editor

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