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2016年8月号 「中国の不妊治療の現状」

不妊治療

中国では、昨年11月、1979年から実施してきた人口抑制策(一人っ子政策)が廃止されたことで、不妊治療を受ける夫婦が急増しています。国内の医療機関では、中国医学(鍼灸治療・漢方薬)での不妊治療と西洋医学による高度生殖医療が行われていますが、対応が間に合わないほど希望する夫婦は多いのです。このように中国医学と高度生殖医療を併用する不妊治療が、中国では当たり前のように行われています。

中国での不妊症患者は約5000万人、全体の15~17%に上るといわれます。一般的に中国では不妊治療には夫婦で通います。子孫を持つことへの願望が強く、男性も治療には積極的です。治療法は、タイミング療法、人工授精、体外受精などがありますが、漢方薬治療や鍼灸治療のみによる治療も根強い人気です。特に最近は、男性の不妊も増えていて、精子の数が少ない、運動率が悪い、奇形率が高いといった場合、漢方治療は大変有効です。

中国における体外受精の成功率は40~45%と非常に高いです。これは、中国医学を併用した効果と、移植時に複数個の胚を戻すことが関係しています。費用は1回2,5万~3万元(日本円で50~60万円)。庶民感覚では年収の半分ほどですが、所得の向上が利用者の増加につながっています。ただ体外受精施設は中国の人口から考えても日本の約600施設と比べるとかなり少なく、現在は約300施設しかないのが現状です。

日本では、残念ながら婦人科で不妊治療を受診しているほんの数パーセントの患者さんだけが併用しているにとどまっており、統合医療の実現はまだまだです。しかし中国だけではなく、欧米でも多くの生殖医療機関で、鍼灸治療・漢方薬治療を併用する統合医療による不妊治療は妊娠成功率を引き上げる効果が認められ積極的に行われています。

投稿者:tcm-editor

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